礼拝説教の要旨です(実際の説教の音声はこちら)。
- 日時:2021年5月23日(日)
- 場所:Tokyo Multicultural Church (みんなのためのキリスト教会)
- 説教タイトル・テーマ:「苦しみの先に待つもの」
- 聖書個所:ローマの信徒への手紙8章18-30節1
導入
理由も分からずにただ
と言われたとしても、その苦しみや悲しみを耐え続けるのは誰にとっても非常に難しいものだと思います。
苦しい出来事や悲しい出来事に直面すると誰もがその苦しみ・悲しみの理由を知りたいと願い求めます。
を知りたいと願います。
今日の聖書個所を通して、この世における苦しみや悲しみの先に何が待っているのか、苦しみや悲しみを乗り越えるに足る理由があるのかどうかを共に学びたいと思います。
現わされる栄光
ローマの信徒への手紙8章18節でパウロは、私たちが
だと言っています。ここでパウロの語る「栄光」とは、
のことです。そのとき、
と聖書は語ります(参考:フィリピの信徒への手紙3章20-21節;コリントの信徒への手紙一15章51-55節)。
のです(比較:ローマの信徒への手紙8章23節)。さらにパウロは、
とも語っています(ローマの信徒への手紙8章20-21節)。
私たちに将来現わされるはずの栄光、即ち、人と被造物が本来あるべき姿に戻された時に体験する素晴らしさの一端は、例えば、ヨハネの黙示録21章3-5節に記されています。
です。ここにこそ
があります。そして、この希望によって私たちは救われているともパウロは語っています(ローマの信徒への手紙8章24-25節)。
実現する神の約束
イエス様が再び来られるとき、人も被造物も本来あるべき姿に戻されるという神様の約束が必ず実現するという根拠の一つとしてパウロが挙げているのが
です。ローマの信徒への手紙8章26-27節でパウロは、
と言っています。具体的に何を助けてくれるのかというと、私たちの神様に対する祈りです。
聖霊のとりなしのおかげで、
そうすることで、
この聖霊の働きの結果、28-30節にあるように、
ようになるのです。
なお、ローマの信徒への手紙8章28節の言葉を理解しようとするときに幾つか注意すべき点があります。
第一に、28節でパウロが意味する
ということです。事実、この直ぐ後の29節を読むと、
が分かります。
それが、この個所でパウロが言わんとしていることだと言えます(比較:ローマの信徒への手紙5章3-4節;コリントの信徒への手紙二3章18節)。
もう一つの注意点は、
ということです。というのも、この世に生きている限り、私たちがイエス様に似た者へと完全に変えられることはないからです。従って、
と言えます(比較:30節)。とはいえもちろん、
そして、
結論
それは
です(比較:ローマの信徒への手紙1章18-32節)。しかしながら、
そのために
そして、
言葉では言い尽くせない
だと聖書は語ります。
その栄光ある未来が必ず実現するという確証を与えてくれるものの一つが神の霊なる聖霊の働きです。
イエス様を信じる者の内に住んでおられる
また、
しかし、人生に起こる様々な出来事を通して、少しずつであっても着実に、私たちの思いが神様の思いに近づけられ、私たちがイエス様に似た者へと変えられていくとき、神様は確かに万物を本来あるべき姿に戻そうとされていることを実感できます。
残念ながら、クリスチャンになったからといって、この世における苦しみや悲しみ、痛みが一切なくなる訳ではありません。
むしろイエス様を信じ、神様の望まれるように生きようとするが故に、これまでは感じることのなかった苦しみを感じることがあるかもしれません。
そんなときには、
イエス様ほど忠実に神様の望まれる生き方を実践した人はいません。
にもかかわらず、
人々からは憎まれ、妬まれ、蔑まれ、裏切られ、弟子たちからも全く理解されることなく最後には見捨てられてしまいました。
が、しかし、
それは
でした。確かに、
しかし、
イエス様が再びこの世に来られるとき、イエス様を信じ従おうとする人にはイエス様と同じ栄光の体が与えられ、新しい天地で神様と共に永遠に生きるようになります。
のです。
と言われても、です。
と思いたくなる人は多いのではないかと思います。そんなときには今一度、
とも言えるからです (参考:ヘブライ人への手紙2章18節)。
たとえイエス様が共にいてくださるとしても、状況そのものは全く良くならないかもしれません。
でも、
その辛い出来事、悲しい出来事、苦しい出来事を通して、
と願っていらっしゃいます。
と願っていらっしゃいます。
です。
たとえ少しずつだとしても確かに、着実に、あなたの思いや考えが神様の思いや考えに近づけられ、あなた自身もまたイエス様に似た者へと変えられていきます。
参考文献および注釈
- Moo, Douglas J. Romans. The NIV Application Commentary. Grand Rapids, Mich.: ZondervanPublishingHouse, 2000.
- ———. The Epistle to the Romans. The New International Commentary on the New Testament. Grand Rapids, Mich.: Eerdmans, 1996.
- Schreiner, Thomas R. Romans. 2nd edition. Grand Rapids, Mich.: Baker Academic, 2018.