聖書勉強に役立つおすすめ本―聖書を読む・学ぶための入門書―

これまで何度かにわたって聖書の読み方についての記事を書きました。

読みにくい聖書、どう読む?ー初心者向けの読み方・読む順番(前編)ー
「聖書が読みにくい理由は何か?」を考えつつ、全体の話の流れをつかむことを念頭に実践的な聖書の「読み方・読む順番」を紹介します。聖書には興味があるけどまだ読んだことがない方、読んではみたけど途中で挫折してしまった方、是非お試しください。
読みにくい聖書、どう読む?ー初心者向けの読み方・読む順番(後編)ー
聖書には興味があるけどまだ読んだことがない方、読んではみたけど途中で挫折してしまった方を対象にした実践的な聖書の「読み方・読む順番」の後編。「律法」はもちろんヨブ記や詩篇、「預言書」に「黙示録」等。読むべきか、読まざるべきか、それが問題です。

上記の記事は主に聖書をまだ読んだことがない方、もしくは読もうとしたけど(分厚過ぎて)途中で挫折してしまった方を対象としていました。

しかし、中には、聖書に大分慣れてきて、

もっと詳しく聖書の中身を勉強したい

と思われる方がいらっしゃると思います。

というわけで、今回は聖書を(主に一人で)読む・学ぶときに役立つと思われる入門書を紹介します。

話の流れ(目次)は以下の通り。

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聖書の読み方・学び方に関する書籍

聖書を読み方・学び方について端的に記してくれている本として、まず以下の書籍を紹介します。

上記の書籍の最終章には「聖書の読み方」について簡潔にまとめてくれています。

聖書を読む・学ぶ時の心構えやルール、方法をつかもうと思った時にはまず最初に読むべき本

だと言えると思います。

さて、実際に聖書をある程度読んでみると、すぐに気付くであろうことがあります。それは、

聖書はやけに読みづらい書物だ

ということ。下記の記事では聖書の読みづらさについて、私なりの理由を書きました。

読みにくい聖書、どう読む?ー初心者向けの読み方・読む順番(前編)ー
「聖書が読みにくい理由は何か?」を考えつつ、全体の話の流れをつかむことを念頭に実践的な聖書の「読み方・読む順番」を紹介します。聖書には興味があるけどまだ読んだことがない方、読んではみたけど途中で挫折してしまった方、是非お試しください。

そして、上記の記事を書くときに参考にさせていただいた本が以下のもの。

大貫 隆 (著)、出版社 岩波書店 (2010/2/20)

上記の本において、著者の大貫隆氏は長年の大学での講義を通して得た学生たちの声と自身の体験談をもとに「聖書の読みづらさ」をまとめてくれています。その上で、氏が提案する聖書の読み方を記してくれていますので、内容にも説得力があります。

また、本の最後の部では旧約聖書と新約聖書の内容の概説も記されていますので、

聖書全体を(本格的に)読み・学び始める前に一度目を通しておくと非常に助けになる本

だと思います。

以前書いた下記の記事で詳しく説明しましたが、聖書に書かれている文章には様々な文学的な手法が用いられています。

このため、その真意を読み解こうとする場合には文学的な技法に関する知識も必要になってきます(日本の文学でも小説と詩歌を読み解こうとするために必要な知識が異なるのと同じです)。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?②ー文学としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。二回目は人の言葉(言語)で書かれた「文学としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。

これはつまり、

聖書内に書かれている文章のジャンル(文学様式)に応じて読み方・学び方も異なってくる

ということになります。このようなジャンル別の読み方・学び方について、詳しく教えてくれる良書として以下が挙げられます。

ゴードン・D・フィー (著)、ダグラス・スチュワート (著)、出版社 いのちのことば社 (2014/11/27)

上記の書籍は正直、入門書としては少し難しい内容かもしれません。が、

聖書に書かれている内容の奥深さを味わい知るためには、絶対に欠くことのできない知識が詰め込まれた良書

ですので、ある程度聖書に慣れてきた人には是非とも読んでいただきたいと思います。

なお、聖書内の文学的特徴・手法に興味のある方は下記の記事内の参考図書をご覧ください。

聖書における文学的特徴・手法に興味がある方におすすめの本
聖書にみられる文学的特徴・手法(言語、ジャンル、比喩的表現、修辞法など)を知れば聖書をより良く理解できる。のかもしれないけど、実際にどのようにして聖書の文学的特徴・手法を学ぶべきかが分からないという方のために、個人的なお薦め本を紹介します。

聖書の背景情報に関する書籍

下記の記事でも紹介しましたが、聖書をある程度真剣に読もう・学ぼうとするときに絶対に必要となってくるのが聖書が書かれた当時の地理的・文化的・歴史的背景です。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?①ー古典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。一回目は古代の近東地方で書かれた「古典としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。

聖書が書かれた当時の地理的・文化的・歴史的背景に関する情報は聖書だけをいくら読んでも分かるものではありませんので、聖書以外の文献・資料を読んで学ぶ必要があります。

こうした背景情報に関する文献・資料は数多くありますが、まずは「スタディバイブル」と呼ばれる以下の類のものがとっつき易いと思います。

共同訳聖書実行委員会 (著, 翻訳)、日本聖書協会 (著, 翻訳)、出版社 日本聖書協会; 改訂版 (2014/10/27)

上記のようなスタディバイブルには、聖書の各書巻の冒頭にそれぞれの書巻の概略や背景が記されていますので、それらを参照しながら読み進めると内容理解が深まるのは間違いありません。

地理的・文化的・歴史的背景に関するその他の参考文献については下記の記事を参照ください。

聖書の地理的・文化的・歴史的背景に興味がある方におすすめの本
聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学ぶと聖書の内容が立体的になり、聖書の理解がより一層深まる。とは言われても、どこから手を付けてよいか分からない…。という方のために、聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学ぶのに役立つお薦め書籍を紹介します。

聖書の内容解説に関する書籍

最後に、聖書に書かれている内容を解説・説明してくれる書物について紹介します。

こちらも程度は様々ですが、聖書を初めて真面目に勉強しようとするときには以下の書籍が良いのではないかと個人的には思っています。

まず旧約聖書についてのお薦めはこちらです。

浅見定雄 (著)、出版社 日本キリスト教団出版局; 改訂新版 (2010/12/15)

上記の本は、非常に分厚い(一般的なもので1500頁超)旧約聖書の中身を丁寧かつ簡潔にまとめてくれています

解説書の多くは内容が長すぎて飽きてしまうか(旧約聖書自体の内容が長いため)、逆に短くなりすぎて物足りなくなってしまう(長い内容をまとめすぎるため)ことが多いのですが、上記の本は丁度良い感じでまとめてくれていると個人的には感じています。

旧約聖書の内容を一通りしっかりと頭に入れておこうと思う人(旧約聖書に強くなろうと思う人)には必携の書

だと思います。

次に新約聖書についてはこちらをお薦めします。

オリエンス宗教研究所 (編)、出版社 カトリック淳心会 オリエンス宗教研究所 (2013/05)

上記はカトリックの入門書ですが、その内容はキリスト教の基本的な事柄についてですので、プロテスタントの入門書としても十分に使える内容のものだと個人的には考えています(気になる方は御自分の教会の牧師にお尋ねください)。

内容としては主に、新約聖書の最初の4つの福音書に描かれているイエス・キリストの誕生、生涯、死、復活を通して、キリスト教の基本的な教えを説明するものです。

キリスト教(聖書)といえばイエス・キリストです。その

イエス・キリストがどのような人物で、何をしたのか、どんな教えを説いたのかを聖書(福音書)の内容に沿って分かりやすく教えてくれる入門書

だと思います。

この本を読みながら、実際に該当する聖書個所を読み進めていくと、イエス・キリスト(キリスト教)に対する理解が更に深まると思います。

なお、キリスト教の教義全般および聖書の内容解説に関する入門書について、興味のある方は下記の記事もご覧ください。

キリスト教って何?聖書の内容は?―初心者におすすめの入門書―
宗教には興味がなくても、一般的な教養として「キリスト教はどんな宗教(教え)なんだろう?」「聖書には何が書いてあるのか?」と思われる方は少なくないと思います。そんな方にお薦めしたい「キリスト教の教義全般」と「聖書の内容解説」の入門書を紹介します。

以上、ご参考まで。

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