聖書における文学的特徴・手法に興味がある方におすすめの本

聖書は「神の言葉」と言われますが、その聖書を書いたのは人間です。

従って、必然的にその書き方は作者の文学的素養に大きく影響されると同時に、聖書全体は「文学作品」としての側面をもつことになります。

これはつまり、聖書を読む時には、

聖書にみられる文学的特徴・手法(言語、ジャンル、比喩的表現、修辞法など)を知っておくと、聖書をより良く理解できる

ことになる、といったことを下記のブログ記事で扱いました。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?②ー文学としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。二回目は人の言葉(言語)で書かれた「文学としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。

とはいえ、聖書にみられる文学的特徴・手法は、ただ黙々と聖書を読んでいるだけでは、なかなか分かるものではありません(分かる人もいるかもしれませんが)。

聖書以外の参考書などの助けが必要です。

ということで今回は、聖書における文学的特徴・手法を学び、より深く聖書を味わうために役立つと思われる個人的な推薦図書を紹介します。

なお、始めに断っておきますが、以下で紹介する書籍は、多かれ少なかれ、聖書に慣れてきた方を対象としています。ので、本の中身はどちらかといえば専門的となっています。

裏を返せば、

  • 初めて聖書を読まれる方
  • 読み始めたばかりで聖書にまだ馴染みが無い方

はひとまず聖書の文学的特徴・手法などを気にすることなく、どんどん読み進められることをお勧めします。

どこからどう読めばよいか分からない場合は、下記のブログ記事が参考になると思います。

読みにくい聖書、どう読む?ー初心者向けの読み方・読む順番(前編)ー
「聖書が読みにくい理由は何か?」を考えつつ、全体の話の流れをつかむことを念頭に実践的な聖書の「読み方・読む順番」を紹介します。聖書には興味があるけどまだ読んだことがない方、読んではみたけど途中で挫折してしまった方、是非お試しください。
読みにくい聖書、どう読む?ー初心者向けの読み方・読む順番(後編)ー
聖書には興味があるけどまだ読んだことがない方、読んではみたけど途中で挫折してしまった方を対象にした実践的な聖書の「読み方・読む順番」の後編。「律法」はもちろんヨブ記や詩篇、「預言書」に「黙示録」等。読むべきか、読まざるべきか、それが問題です。

それでは、聖書の文学的特徴・手法を学び、より深く聖書を味わうために、まずお薦めしたいのは下記の本。

上記の本は

聖書の読み方の原則から始まり、文学様式(ジャンル)ごとにどのように聖書を読めばよいか(特に注意すべき点、知っておくべきことなど)を丁寧に教えてくれる

良書です。

ある程度、聖書に慣れてきて、もっと聖書のことを学びたいと思われる方には是非とも読んでいただきたい本です。

ちなみに、原著は下記になります。

聖書の読み方よりも文学的特徴(特にジャンル)そのものに興味がある方には、下記の本が参考になると思います(2018年8月時点で邦訳は無さそうです)。

こちらは聖書内のそれぞれの文学様式(ジャンル)がどのような特徴・性質をもっているかを詳しく説明してくれます。

左右の余白欄に作者自身が小見出し(内容のまとめ)をつけてくれているので、話の流れ・内容を理解するのに非常に助かります。

これを読んだ後に最初に紹介した書籍『聖書を正しく読むために[総論]』を読むと、より理解が深まるかもしれません。

もう少し専門的な内容になりますが、広範囲かつ詳細に聖書における文学的特徴・手法を説明してくれるものには下記があります(2018年8月時点で邦訳は無さそうです)。

上記の本は聖書解釈学の教科書としても使われるものですので、内容は確かに専門的です。

が、書籍内の

  • "PART III--UNDERSTANDING LITERATURE (文学を理解する)"
  • "PART IV--UNDERSTANDING BIBLE GENRES (聖書の文学様式を理解する)"

には非常に詳しく聖書の文学的特徴・手法が説明されています。

最後に、教会などで説教をする機会がある方には是非とも読んで頂きたいのは下記の本(2018年8月時点で邦訳は無さそうです)。

こちらは古代の書物である聖書を用いて、現代人がどのように説教すべきかを細かく丁寧に教えてくれる本です。

文学的、歴史的、神学的側面から総合的に聖書を理解しながら、そのメッセージを現代の聴衆にどのように語るべきか

説教者としては非常に考えさせられる内容となっています。

その中でも特に

文学様式(ジャンル)ごとにどのように説教すべきかを取り扱っている

ところが特徴だと思います。

以上、ご参考まで。

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