聖書の地理的・文化的・歴史的背景に興味がある方におすすめの本

少し前になりますが、下記の記事で聖書を読む時の注意点(聖書の読み方)を考えました。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?①ー古典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。一回目は古代の近東地方で書かれた「古典としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。
聖書に読み方はある?読む時の注意点は?②ー文学としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。二回目は人の言葉(言語)で書かれた「文学としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。
聖書に読み方はある?読む時の注意点は?③ー聖典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。三回目は神の言葉が書かれた「聖典としての聖書」の性質に焦点をあてたシリーズの総まとめ版。

その中で確認したことの一つに

聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学んでから聖書を読むと、聖書の内容が立体的になり理解がより深まる

というものがありました。

しかしながら、聖書の地理的・文化的・歴史的背景というものは、聖書だけを読んでも学ぶことはできません。

聖書以外の参考書や辞書などから学ぶことが必要不可欠です。

ということで、今回は聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学ぶのに役に立つと思われる個人的なおススメ本を紹介します(もちろん、ここで紹介するもの以外にもたくさんありますので、読者の皆さんがお薦めする書籍がありましたら、是非、原田までご一報ください)。

まず始めにお薦めするのはStudy Bibleと呼ばれるもの。

例えば以下があります。

英語のものは非常にたくさんありますが、個人的なおススメとしては、例えば以下があります。

Study Bibleには、聖書に収められている各書物(創世記や出エジプト記など)の始めに、簡単な地理的・文化的・歴史的背景および文学的特徴(著者、作成年代、目的など)などが記されています。

そして、実際の文章の所々に脚注がついていて、言葉の意味や解釈が記されています。

特徴としては、

聖書の本文がメインで、それを補足する情報が付加されているところ

です。

つまり、聖書を読みながら、気軽に背景情報が手に入るというメリットがあります。

でも、

うーん、Study Bibleは値段が高すぎてちょっと・・・

と思われる私のような方には、下記がおススメです(Study Bibleでない普通の聖書を一冊は持っていることが前提です)。

上記は先に挙げた『聖書スタディ版』から聖書本文を除いた内容となっているようですので、既に聖書をお持ちの方には経済的な選択肢の一つと言えます。

いずれにしても、Study Bibleに記される情報量は決して多いとは言えませんので、ある程度聖書に慣れてくると少し物足らなさを感じるかもしれません。

そういう方のためにお薦めするのは以下の二つの注解書。

ご覧の通り、上記の注解書は旧約聖書で一冊、新約聖書で一冊となっています(2018年8月時点で邦訳は無さそうです)。

こちらの特徴は、

Study Bibleと比べて、聖書本文の注釈が圧倒的に多くなっている

ところ。しかも、Study Bibleとの決定的な違いは

聖書の本文が入っていない

こと。

ですから、カバンに入れて持ち運びながら、暇なときに気楽に読むという類いのものではありません。

聖書を片手に開き、上記の注解書をもう一方の手に開きながら、がっつり勉強したい人向けの書籍となっています。

んー、そこまでじゃなくて、もっと気楽に地理的・文化的・歴史的背景を知りたいんだけど…

と思わる方には、下記をお薦めしたいと思います。

こちらはタイトルからも分かるように、マンガで分かりやすく聖書時代の歴史を伝えてくれる本です。

ただし、扱っている時代が北イスラエル王国の滅亡(紀元前722年)からイエスが生まれるまでの約700年間ですので、それ以前のことはこの本だけでは分かりません。

が、新約聖書(イエスの時代)の背景を理解するには、とても役に立つ本です。

北イスラエル王国滅亡以前の地理的・文化的・歴史的背景も気になるな…

という方には、北イスラエル王国滅亡以前も含め、聖書全体の地理的・文化的・歴史的背景を写真入りで簡潔に紹介してくれている下記の書籍がオススメです。

こちらは、

写真がふんだんに使われていますので、非常にイメージが湧きやすく理解しやすい

のが特徴です。

もう少し専門的な内容で、イエスが生まれるまでの聖書時代の歴史を学びたいんだけど…

と思われる方には下記がお薦めです。

上記の書籍の特徴としては、

聖書の記述を基にしたイスラエルの「歴史」ではなく、聖書以外の文献や考古学的発見を基にしたイスラエルの歴史を記している

ところです。

上記の本の内容と実際の聖書の記述内容を比べることで、聖書の記者が強調したかったこと(宗教的メッセージ)がより明確になってくると思います。

最後に、新約聖書を読む時に重要となるヘレニズム~ローマ時代の文化的・歴史的背景を詳しく記した書物として、下記を挙げておきます(2018年8月時点で邦訳は無さそうです)。

こちらは

ヘレニズム~ローマ時代の文化的・歴史的背景が非常に広範囲にわたって詳しく記されていますので、辞書的な位置付けとして使うことができる

と思います。

以上、ご参考まで。

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