聖書に読み方はある?読む時の注意点は?②ー文学としての聖書ー

今回も前回に引き続き「聖書の読み方」について、特に「聖書を読む時の注意点は何か?」を考えます。

  1. 聖書に読み方はある?読む時の注意点は?①―古典としての聖書―
  2. 聖書に読み方はある?読む時の注意点は?②―文学としての聖書―
  3. 聖書に読み方はある?読む時の注意点は?③―聖典としての聖書―

前回は上記三つの一番最初、「古典としての聖書」に着目しました。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?①ー古典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。一回目は古代の近東地方で書かれた「古典としての聖書」の性質に焦点をあててみていきます。

今回は二つ目の「文学としての聖書」がテーマ。

つまり、人間の言葉(言語)で記された一つの「文学作品」としての聖書の性質に焦点をあてながら、「聖書を読む時の注意点」を考えます。

一番最後の「聖典としての聖書」については、下記の記事をご覧ください。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?③ー聖典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。三回目は神の言葉が書かれた「聖典としての聖書」の性質に焦点をあてたシリーズの総まとめ版。

話の流れ(目次)は以下の通り。

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文章の役割(メッセージ性)に注意

時代や場所を問わず、何か(このブログもそうです)を書き残そうとする人は、誰かに何かを伝えようとして書き残すものだと思います。

例えば、簡単な所でいうと、ラブレターは好きな相手に自分の思いを伝えるため。

テストの答案は先生(採点者)に自分の知識・理解力を伝えるため。

日記ですら、自分自身(もしくは読んで欲しいと暗に期待している誰か)に向けて、自分の思いや考えを(整理しながら)伝えるために、または過去にどういう出来事があったかを(忘れないように)伝えるために書き記しています。

要するに、

人の言葉(言語)によって書き記されたものは、コミュニケーションの手段として、何らかのメッセージ性を持っていて、メッセージを伝えんとする相手がいる

といえると思います。1

特に、聖書が書かれたとされる2000年以上前の時代には、字を読み書きできる人の数が限られていますから、よっぽど伝えたいメッセージが無い限り、何かを書き記そうとはしないはずです。

従って、

聖書に収められている66冊の文書には、それらを書いた作者が読んで欲しいと思っている読者(想定読者)が存在し、かつその読者に伝えたい特定のメッセージがあった

と考えるのが自然です。

実際問題、聖書には作者が想定した読者とその読者に伝えたい特定のメッセージがあることが顕著に表れている文書が幾つかあります。それらの多くは新約聖書にたくさん収められている「書簡(手紙)」です。

例えば、「ヤコブの手紙」の冒頭は次のように始まっています。

神と主イエス・キリストのしもべヤコブが、離散している十二部族にあいさつを送ります。私の兄弟たち。様々な試練にあうときはいつでも、この上もない喜びと思いなさい。【ヤコブの手紙1章1-2節】

出典:新日本聖書刊行会『聖書 新改訳2017』(いのちのことば社、2017年)〈新〉458頁

この箇所から以下のことが分かると思います。

  • 手紙の作者:ヤコブ
  • 想定読者:離散している十二部族
  • 想定読者へのメッセージ(の一つ):様々な試練にあうときはいつでも、この上もない喜びと思いなさい

ちなみに、この冒頭の部分を少し読んだだけでも次々と疑問が湧いてくると思います。例えば、

「そもそも、ヤコブって誰?」
「離散している十二部族って誰のこと?」
「なぜ離散しているんだ?」
「なんで彼らは様々な試練にあっているんだろう?」
「ヤコブと彼らの関係は?」

といった具合です。

このような疑問は非常に大事です。そのような

自然に湧き出て来る疑問の答えを自分なりに考えながら聖書を読み進めていくと、その内容をより深く味わうことができ、聖書が語らんとするメッセージをより正確に理解することができる

からです。

しかし、残念ながら、聖書を読むだけではそのような疑問の答えを見つけるのが難しい時があります。そのような時には、聖書以外の参考書、辞書、注解書などの助けが必要になります。

が、まずは細かい所は気にせずに、

大まかな文章の意味、作者が伝えんとするメッセージが何かを探ろうとするのが大事

だと思います。

大まかなメッセージがつかめれば、細かい所の意味も分かってくることがあります。そして、細かい所の意味が分かれば、全体のメッセージの理解が更に深まってきます。

恐らく、初めは分からない・分かりにくいことばかりかもしれません。

でも、前回のブログにも書きましたが、聖書は2000年以上前の近東地方(バルカン諸国・トルコ・シリア・エジプトなどを含む地域)で書かれた「古典」。現代の日本とは時代も場所も文化も異なる人が書いた書物です。ある意味、分からなくて当然です。2

ですから、

分からない・分かりにくい所があったとしても、あまり気にすることなく、「まあ、そんなものか」と思いながら全体をざっと読みながら話の流れをつかむようにする

のが良いと思います。

そして、ざっと読んでいく中でも、ふと自分の心に語りかけてくる箇所、読み終わった後でもやたらと気になる言葉・台詞、妙に感動して心が熱くなってくる場面などが出て来ると思います。

そのような所には、少しゆっくり立ち止まって(もしくは何度も立ち返って)、じっくりと味わうことが大事だと思います。3

とは言いながら、(私のように)細かい所が気になる方は絶対にいらっしゃると思います。ので、そういう人は周りにいる詳しそうなクリスチャンの人に聞いてみてください。きっと優しく丁寧に喜んで教えてくれると思います。

文章の文体(ジャンル)に注意

Saint Paul Writing His Epistles, 16th-century painting. By Blaffer Foundation Collection, Houston, TX, Public Domain, Link

前節では、人の言葉(言語)によって書き記されたものは、コミュニケーションの手段として、何らかのメッセージ性を持っていて、メッセージを伝えんとする相手がいるということをみました。

今節では、コミュニケーションの手段そのもの、つまりは、メッセージを効果的に伝えるための書き方(文体)に着目します。

文章の書き方(文体)というのは、前節で挙げた例で言うと、例えば、

ラブレターなら、普通の文章の代わりに詩を書く人がいるかもしれません。

が、テストの答案に詩を書く人はまずいないでしょう(もちろん、作詩の能力を問われるテストは別です)。むしろ、採点者ができるだけ分かりやすいように、論理的に筋道を立てて記そうとするはずです。

特に、数学の証明問題であれば、ある程度決まった書き方が存在します。

日記については、ある意味、個人の自由に書くことができますので、それほど書き方の縛りはないかもしれません。が、そのような書き方ですら、「随筆」や「エッセー」と呼ばれる特定の「書き方(ジャンル)」に分類されることがあります。

要するに、

この世に存在する文章は、伝えんとするメッセージの内容によって、また想定する読者の興味や当時の文化によって、ある特定の文体(文学様式やジャンルとも呼ばれる)で書かれている

と言えます。これは文章のもつ特質とも言えると思います。

従って、文章はある特定の文体(文学様式・ジャンル)によって書かれるという特質は、人の手によって書き残された聖書についてもあてはまります4

事実、聖書に記されている文章は非常に様々な文学様式(ジャンル)によって構成されています。例えば、学者によっても分け方が異なりますが、聖書には以下のようなジャンルがあります。5

  • 物語(narrative) :英雄物語、預言者談、喜劇、遺訓など
  • 法令(law)
  • 詩歌(poetry) :祈り、歌、礼拝式文など
  • 預言(prophecy) :災いや救いの預言に関する哀歌、讃美歌、礼拝式文など
  • 知恵文学(wisdom) :格言、教訓など
  • 福音書(the Gospels)
  • 書簡(手紙) (epistle)
  • 黙示文学(apocalypse)

ちなみに、この中で聖書の大部分を占めるのが物語形式です。6

Adoration of the Shepherds by the Dutch painter Gerard van Honthorst, 1622. By Google Art Project, Public Domain, Link

ここで察しの良い方は、

これだけ異なるジャンルに分けることができるということは、それぞれのジャンルに応じた読み方があるのかな

と思われたことでしょう。

そうなんです。実際、日本の文学においても「小説」と「詩歌」の読み方(味わい方)が異なるように、聖書においてもジャンルごとに読み方(読む時の注意点)が異なります。

例えば、前節でも取り上げた新約聖書によく出て来る「手紙(書簡)」というものは、大枠として、ある特定の形式に沿って書かれています(日本の手紙でも書き方の「作法」があるのと同じです)。

具体的には、新約聖書の「手紙(書簡)」は大きく以下の順序で構成されています。

  1. 作者名
  2. 宛名
  3. 挨拶
  4. 祈願または感謝
  5. 本文
  6. 終わりの挨拶

が、全ての手紙が上記の順序に沿っている訳ではなく、幾つかの項目を省いているものも存在しますので、あくまで大きな流れという位置付けです。7

また、新約聖書の「手紙(書簡)」の作者は当時のギリシャ・ローマ文化の修辞法を駆使していたことが分かっています。当時の修辞法には、例えば、以下のような特徴がみられます。

  1. 序論(exordium):理由・原因を述べ、聴衆(手紙では読者)の興味や同情を引く
  2. 陳述(narratio):話(手紙)の内容と事例の背景および事実問題を関連付ける
  3. 主題・命題(propositio):同意事項および反対事項を述べる
  4. 論証(probatio):話者(手紙では作者)の信頼性に基づく論拠を載せる(聴衆の感情や論理的主張に訴えかける)
  5. 論駁(refutatio):反対意見を論破する
  6. 結論(peroratio):議論をまとめて聴衆の感情の高ぶりを促す

上記の修辞学的特徴の全てが新約聖書の手紙の中にみられる訳ではありません。

が、このような当時の文章(議論)の組み立て方を知っておくと、実際に手紙を読み進めていく際に話の流れをつかみやすくなります。と同時に、手紙の作者の中心的なメッセージが何かも捉えやすくなります。8

とは言いながらも、仮にジャンルごとの読み方(読む時の注意点)を全く知らないとしても、聖書を読んでその内容をある程度理解することは可能です(日本の文学作品でもジャンルごとの読み方を知らなくてもある程度理解することができるのと同じです)。

しかし、ジャンルについて知っているのと知らないのとでは、聖書の内容理解の正確さ、速さ、深さに少なからずの違いが出て来るのは間違いありません。9

文章の文脈(前後関係)に注意

最後に、人の手(言葉)によって書かれた「文学としての聖書」を読む時の一番大事なポイントを考えます。

文学としての聖書を読む時に一番大事なこととは何かというと、「文脈に沿って読むこと」

えっ、そんなの当り前じゃないの?

と思われる方は多いかもしれません。

確かに、小説や詩を読むときには、学校の国語の授業で教わるまでもなく誰もが、前後の文脈を読みながら作者の意図を理解しようとするはずです。

前後の文脈に沿って文章を読むというのは、言われるまでもなく、「当たり前」なこと。

なのですが、しかし、非常に不思議かつ残念なことですが、聖書については、この当たり前のこと当たり前でなくなっている人が意外に多いと個人的には思っています。

特に、以下のような人にその傾向が強いと思われます。

  • 教会の礼拝には長年出席して聖書の内容を断片的に知っているけれども、自分では聖書を読んだことが無い人
  • 聖書そのものは読んだことがないけれども、聖書について説明している本はたくさん読んでいる人
  • 聖書を全部読んだことはあるけれども、一日に3-4章読むのを一年間続けるような読み方で、読むこと自体が目標となってしまって聖書全体の話の流れがあまり頭に入っていない人

上記のような特徴をもっている人は、一見すると、聖書について非常によく知っているような印象を受けます。聖書の有名な箇所をたくさん暗記していて、会話の節々にも聖書の言葉が引用されることがあるくらいです。

しかしながら、そのような人の聖書理解は結構な割合で「文脈を無視したもの」で、聖書の作者が意図するものとは全くの別物となっていることがあります(私自身もそのような人の一人でした)。

例えば、クリスチャンであれば一度は聞いたことがあるであろう非常に有名な聖書の言葉に以下のものがあります。

私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです。【ピリピ人への手紙4章13節】

出典:新日本聖書刊行会『聖書 新改訳2017』(いのちのことば社、2017年)〈新〉400頁

ここでいう「私」は手紙の作者「パウロ」、「私を強くしてくださる方」とは「神様」です。

従って、この言葉だけを聞くと、読者もまた手紙の作者パウロと同じく、「神様に信頼すれば、私(読者)はどんなことでもできるんだ!神様がそのように約束してくださってるから、自分の夢や目標の実現を目指して頑張ろう!」という気がしてきます。

実際、そのように説明している本を読んだことがありますし、教会の牧師ですらそのようなメッセージを語るのを聞いたことがあります。

しかしながら、このような理解は「前後の文脈を完全に無視した」読み方によるものです。

事実、その少し前(ピリピ人への手紙4章11-12節)でパウロは次のように言っています。

私は、どんな境遇にあっても満足することを学びました。私は、貧しくあることも知っており、富むことも知っています。満ち足りることにも飢えることにも、富むことにも乏しいことにも、ありとあらゆる境遇に対処する秘訣を心得ています。【ピリピ人への手紙4章11-12節】

出典:新日本聖書刊行会『聖書 新改訳2017』(いのちのことば社、2017年)〈新〉399-400頁

そして、先ほど引用した言葉(ピリピ人への手紙4章13節)

「私を強くしてくださる方によって、私はどんなことでもできるのです。」

が続きます。

ここまで読めばもう皆さんお分かりと思いますが、「神様によって、どんなことでもできる」とパウロが言っているのは、「神様によって、自分が望むこと・やりたいことが何でも上手くいく」という意味ではありません。

むしろ、「神様によって、どんな経済状況にあっても満足することができる」ということを言っていることが分かります。10

「前後の文脈を無視して言葉の意味を取り違えてしまうこと」は、聖書をよく勉強しているはずの牧師ですら陥りやすい過ちの一つですので、聖書を読む時には非常に注意する必要があります。11

聖書の中には誰も解き明かしたことのない暗号が隠されている訳ではありません。

むしろ聖書は、2000年以上前の人たちが神様から受けたメッセージを自分の知りうる歴史的・社会的・文化的知識と文学的素養を駆使しながら書き残したものです。

従って、文脈に沿ったごく普通の意味(自然な解釈)を考えるようにすれば、聖書の語らんとするメッセージ(の大枠)を理解するのにほぼ問題はありません。12

とは言え確かに、文脈に沿って読んでいったとしても、読みにくく感じるところが聖書には多々あります。が、それは主に当時の文化や歴史的背景を知らないこと、または当時の文学的特徴・手法(特に比喩的表現など)に馴染みがないことによるものが多いです。

もし聖書の内容理解の正確さ、速さ、深さを追求したいと思われる方がいらっしゃれば、当時の文化的・歴史的背景と文学的特徴・手法を学ぶことをお勧めします。

具体的な参考資料については下記の記事を参照ください。

聖書の地理的・文化的・歴史的背景に興味がある方におすすめの本
聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学ぶと聖書の内容が立体的になり、聖書の理解がより一層深まる。とは言われても、どこから手を付けてよいか分からない…。という方のために、聖書の地理的・文化的・歴史的背景を学ぶのに役立つお薦め書籍を紹介します。
聖書における文学的特徴・手法に興味がある方におすすめの本
聖書にみられる文学的特徴・手法(言語、ジャンル、比喩的表現、修辞法など)を知れば聖書をより良く理解できる。のかもしれないけど、実際にどのようにして聖書の文学的特徴・手法を学ぶべきかが分からないという方のために、個人的なお薦め本を紹介します。

まとめ

今回のテーマは「聖書の読み方」。特に、人間の言葉(言語)で記された一つの「文学作品」としての聖書の性質に焦点をあてながら、「聖書を読む時の注意点」を考えました。

文学としての聖書を読む時の注意点をまとめると以下の通りです。

  • 聖書には聖書を書いた作者が読んで欲しいと思っている読者(想定読者)が存在しており、作者が想定読者に伝えようとしているメッセージを読み取ろうとする
  • 作者や想定読者および両者の関係などを知る(調べる)ことができれば、聖書(作者)のメッセージを理解する助けとなる
  • 聖書に記されている文章は非常に様々な文学様式(ジャンル)によって構成されており、ジャンルごとに読む時の注意点が異なることを気に掛ける(ジャンルについて知らなくてもある程度の理解はできる)
  • 文脈に沿ったごく普通の意味(自然な解釈)を考える
  • 細かい所(分からない・分かりにくい所)は気にせずに、文脈に沿って全体をざっと読みながら、大まかな文章の意味や流れ、作者が伝えんとするメッセージが何かを探ろうとする
  • 全体をざっと読みながらも、ふと自分の心に語りかけてくる箇所、読み終わった後でもやたらと気になる言葉・台詞、妙に感動して心が熱くなってくる場面などがあれば、その箇所はゆっくりじっくりと味わう
  • 聖書の内容(メッセージ)をより速く深く正確に理解しようと思うならば、当時の文化的・歴史的背景と文学的特徴・手法を学ぶ必要がある

この中で一番大事なことは「文脈に沿って聖書を読むこと」です。それさえできていれば、聖書を読む時にそれほど大きな誤解や曲解は出て来ないはずです。

なお、ここで一つ注意事項

前回と今回のブログ記事から、聖書が大昔に書かれた「古典」であり、人の手(言葉)によって書かれた「文学作品」の一つであることが分かりました。

が、聖書にはもう一つの(最も)大事な性質があります。それは次回のテーマでもありますが、「聖書は神の言葉が書かれた聖典」でもあるということです。

その意味で、前回と今回のブログ記事でみてきた「聖書の読み方(読む時の注意点)」にはまだ続きがあります。

言い換えると、この三回にわたる「聖書の読み方」に関するブログ記事で、私が最終的に考えたいのは以下の問いです。

大昔に書かれた「古典」でもあり、人の手によって書かれた「文学」でもあり、神の言葉が書かれた「聖典」でもある聖書を読む時に注意することとは何か?

その答えが気になる方は…是非、下記の記事をご覧ください。

聖書に読み方はある?読む時の注意点は?③ー聖典としての聖書ー
全世界での発行部数がギネス記録になるほど世界中で読まれている(買われている?)書物。そんな聖書の「読み方(聖書を読む時の注意点)」を3回シリーズで紹介。三回目は神の言葉が書かれた「聖典としての聖書」の性質に焦点をあてたシリーズの総まとめ版。

参考文献および注釈

  • Carson, D. A. Exegetical Fallacies. 2 edition. Carlisle, U.K. : Grand Rapids, Mich.: Baker Academic, 1996.
  • Fee, Gordon D., and Douglas K. Stuart. How to Read the Bible for All It’s Worth. Vol. 3d ed. Grand Rapids, Mich.: Zondervan, 2003.
  • Klein, William W., Craig L. Blomberg, Robert I. Hubbard Jr, and & 1 more. Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition. Revised & Updated. Nashville, Tenn.: Thomas Nelson, 2004.
  • 北森嘉蔵. 聖書の読み方. 東京: 講談社, 2006.
  • 大島力. 聖書は何を語るか. 日本基督教団出版局, 1998.
  1. 詳細な議論は例えば下記を参照。William W. Klein et al., Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition, Revised & Updated. (Nashville, Tenn.: Thomas Nelson, 2004), 169–171.
  2. 詳しくは下記ブログ記事を参照。「聖書に読み方はある?読む時の注意点は?①―古典としての聖書―」
  3. 北森はこのような読み方を「新幹線から各駅停車へ」という表現で表しています。北森嘉蔵,『聖書の読み方』(東京: 講談社, 2006年), 14–15頁.
  4. 「文学としての聖書」について、具体的な内容を取り上げて説明しているものとして、例えば下記を参照。大島力,『聖書は何を語るか』(日本基督教団出版局, 1998年), 82–96頁.
  5. それぞれのジャンルとジャンル別の解釈(読み方)の違いについて、詳細は下記を参照。Klein et al., Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition, 323–450.
  6. 聖書全体の約4分の3を占める旧約聖書の40%超が物語形式と言われます。また、新約聖書のほぼ半分を占める福音書と使徒言行録も、その多くは物語形式で記されています。Gordon D. Fee and Douglas K. Stuart, How to Read the Bible for All It’s Worth, vol. 3d ed. (Grand Rapids, Mich.: Zondervan, 2003), 93.
  7. 詳細は下記を参照。ibid., 3d ed.:58–60.
  8. 新約聖書の手紙に使われている修辞法の説明の詳細について、例えば下記を参照。Klein et al., Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition, 430–433.
  9. ジャンル別の「聖書の読み方(読む時の注意点)」については、機会があれば別の記事で扱えればと思っています。
  10. Klein et al., Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition, 481.
  11. 具体例と詳細な解説について、興味のある方は下記を参照。D. A. Carson, Exegetical Fallacies, 2 edition. (Carlisle, U.K. : Grand Rapids, Mich.: Baker Academic, 1996), 27–64.
  12. 詳細な解説について、興味のある方は下記を参照。Klein et al., Introduction to Biblical Interpretation, Revised Edition, 240–257.
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