ジョン・ウォルトン(John Walton)教授来日記念講演

私も幾つかの参考書でお世話になっているProf. John Walton(Wheaton Collegeの旧約聖書学の教授)が来日するようです。

今回の来日は彼の著書"The Lost World of Genesis One"の邦訳出版(邦題は『創世記1章の再発見~古代の世界観で聖書を読む~』)にあわせたもののようで、本の内容にちなんだ講演が2018年5月12日(土)、14日(月)、15日(火)、16日(水)に開かれます。

講演の詳細はこちらをご参照ください。

これまでに私が書いたブログ記事の中には「聖書の読み方」に触れるものが幾つかありました。例えば、以下の記事など。

聖書は信頼できる書物か?③―聖書の信憑性:歴史的・考古学的整合性―
「聖書は信頼できる書物か」について考える三部作シリーズの三つ目。聖書の歴史的・考古学的信憑性を考えるにあたり、「歴史」とは何か(歴史の性質、歴史との接し方)から考えます。聖書の読み方(聖書を読む時の注意点)にもつながる内容です。
聖書は考古学と矛盾しているか?①―天地創造から青銅器時代まで―
「聖書に出てくる人物や場所は実在したのか?」「聖書は考古学と矛盾しているか?」について、考古学の限定性を考慮しながら、旧約聖書の天地創造から青銅器時代までの歴史的・考古学的背景をみていきます。
聖書は考古学と矛盾しているか?②ー鉄器時代ー
「聖書に出てくる人物や場所は実在したのか?」「聖書は考古学と矛盾しているか?」について、旧約聖書の鉄器時代の歴史的・考古学的背景をみていきます。聖書の強調点は何か、聖書はどう読むべきか、聖書と考古学の望ましい関係は何かを探ります。
聖書は考古学と矛盾しているか?③ーイエスの時代ー
「聖書は考古学と矛盾しているか?」について、イエスに関する新約聖書の記述と考古学的発見が矛盾しているようにみえるものに焦点をあてます。聖書を読み解くために知っておきたい事柄満載の内容です。

ウォルトン教授の講演は、天地創造について記した創世記1-2章を通して、「聖書の読み方」を具体的に教えてくれる内容になりそうです。

(旧約)聖書学の第一人者から直接学ぶことができる機会は非常に貴重ですので、私もできるだけ参加してみようと思っています。

ちなみに、気になる方のために、Walton教授の他の著作を少し紹介しておきます。

私が通ったシンガポールの神学校では旧約聖書学の授業でWalton博士とAndrew Hill博士の共著"A Survey of the Old Testament"を使って講義をしていました。

この本は、その神学的内容はもちろんですが、写真がたくさん使われていますので、旧約聖書時代の人々の文化や生活、地理などを視覚を通して学ぶこともできます。

あと、Walton博士が書いた創世記の注解書"Genesis"は多くの洞察に富んだ内容となっています。

Walton教授はヨブ記の注解書"Job"も書いています。私はまだ読む機会が与えられていませんが、注解書のランキングサイトを見る限り、評判はすこぶる良さそうです。

今回の講演に絡んだ書籍でいうと、先に挙げた"The Lost World of Genesis One"の他に、まだ私は読んではいませんが、"The Lost World of Adam and Eve: Genesis 2-3 and the Human Origins Debate"などがあります。

なお、創世記1-3章に出て来るアダムが歴史上実在したかどうかについて、4つの異なる見解を記した書籍"Four Views on the Historical Adam"にもWalton教授の記事が載っています。この本の中に紹介されている4つの見解の中で、私の考えはWalton教授のものに最も近いと言えると思います。

ご参考まで。

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