礼拝説教の要旨です。
- 日時:2019年12月1日(日)
- 場所:Tokyo Multicultural Church (みんなのためのキリスト教会)
- 説教タイトル・テーマ:「闇の中の光」
- 聖書個所:イザヤ書8章23節―9章6節(新改訳聖書では9章1-7節)
導入
「平和ボケ」しているといわれることもある日本ですが、世の中から暗いニュースが無くなることはありません。
自然災害や異常気象による被害、
政治家や大企業のトップたちの不祥事、
職場での過労死、パワハラ、セクハラ、マタハラ、
学校内のいじめや家庭におけるDVに幼児虐待など。
気が滅入ってしまう暗いニュースばかりです。
今日はこの暗い世の中にあって明るい光を輝かせてくださるお方について、共に学びたいと思います。
神の恵みがもたらす光
今日の聖書個所にはイザヤという預言者が紀元前700年頃に語った預言が記さています。
その当時、北イスラエル王国はアッシリア帝国によって滅ぼされようとしていました。
これ以上の悲劇・惨劇はないと言って良いかもしれません。
でも、
その理由は、彼らがおごり高ぶって神様に立ち帰らず(イザヤ書9章7-12節)、神様を無視して悪を行い(9章16節)、不正や略奪の限りを尽くしていた(10章1-2節)からだと聖書は語ります。
そんなイスラエル民族に対して、神様は異民族であるアッシリアを用いて裁きをくだそうとされていた訳です(10章3-4節)。
ある意味、イスラエル民族の不徳・悪行が招いた当然の報いとして、彼らは異民族から辱めを受け(8章23節)、暗闇の中を歩くことになってしまった。
神様の恵み以外の何物でもありません。
神の熱意がもたらす光
神様に従わなかったイスラエルの民が当然の報いとして受けていた悲惨な状況から彼らを救い出すため、
絶望の闇の中を歩んでいる人々に光をもたらすため、
辱めや悲しみを喜びと楽しみに変えるため、
ひとりのみどりごがわたしたちのために生まれた。【イザヤ書9章5節】
出典:共同訳聖書実行委員会『聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき』(日本聖書協会、2010年)(旧)1074頁1
とイザヤは預言します。
しかもその子には権威があって、神様に等しい特別な存在であることがほのめかされています(比較:イザヤ書10章21節)。
さらにイザヤは、そのみどりごがイスラエルの王となって、正義と恵みの業によって永遠に治めることが預言します(9章6節)。
このみどりごこそが聖書の語る全人類のメシア(救い主)です。つまり、
訳です。そして、その約束は「万軍の主」と形容される偉大な全知全能の神様の「熱意」によって、必ずや果たされると聖書は宣言します(6節)。
そこに表れているのは私たち人類を何があっても救い出すという神様の熱意・決意、また私たちを愛してやまない神様の姿ではないかと思います。
神の主権がもたらす光
このイザヤ書の預言はメシア(救い主)であるイエス様の誕生によって成就されました(完全な成就はイエス様の再臨を待つ必要があります)。
けれども、その預言の成就までには約700年という年月が経っていました。
神様は絶対的な主権をもったお方ですから、御自分が約束なさったことを必ず果たされます。しかし、多くの場合、
です。神様が約束を果たされるタイミングだけでなく、
です。イザヤ書の預言を成就するため、
それによって、
神様・イエス様は私たちの想像と理解をはるかに超えた方法で闇の中の光となられたのです。
結論
たとえ私たちが神様に対しておごり高ぶり、神様を無視して自分たちの好き勝手に歩んだ結果、暗い闇の中を歩むことになったとしても、です
事実、闇の中の光となるため、子なる神イエス様が人となってこの世に来られ、十字架で死んでよみがえられたのです。
ただ、その御計画を果たすためのタイミングと手段・方法は私たち人間の想像と理解をはるかに超えたものです。
神様の前に格好をつける必要はありません。下手に気を遣って、空気を読む必要もありません。神様は私たちの心の内を全てご存知だからです。
ひょっとしたら、その「光」は自分が思い描いていたような光り方をしてくれないかもしれません。
その光の示す道に戸惑うことがあるかもしれません。
しかし、
なのです。イエス様はおっしゃっています。
わたしは世の光である。わたしに従う者は暗闇の中を歩かず、命の光を持つ。【ヨハネによる福音書8章12節】
出典:共同訳聖書実行委員会『聖書 新共同訳 旧約聖書続編つき』(日本聖書協会、2010年)(新)181頁
参考文献および注釈
- Oswalt, John N. Isaiah. The NIV Application Commentary. Grand Rapids, Mich.: Zondervan, 2003.
- Smith, Gary V. Isaiah 1-39. The New American Commentary. Nashville, Tenn.: B & H Pub Group, 2009