礼拝説教の要旨です(実際の説教の音声はこちら)。
- 日時:2021年10月10日(日)
- 場所:Tokyo Multicultural Church (みんなのためのキリスト教会)
- 説教タイトル・テーマ:「驚くべき神の御業」
- 聖書個所:ハバクク書1章1-11節1
導入
Tokyo Multicultural Church (みんなのためのキリスト教会)では今回から計6回にわたって旧約聖書の「ハバクク書」から説教をすることになりました。
このハバクク書という書物は今の私たちの生活に直結するメッセージを与えてくれる書物と言えます。というのも、ハバククという預言者が生きた時代の状況と現代の私たちが生きる時代の状況には幾つかの共通点が見られるからです。
今日の個所は、
となっています。今日は、
を一緒に見ていきましょう。
訴えに耳を傾ける神
ハバククが生きた時代、世の中には災いや労苦、破壊や暴虐、争いやいさかい、不法や不正が溢れていました(参照:ハバクク書1章2-4節)。
その状況から救われるように、またその状況に対して神様の裁きが下されるようにハバククは神様に助けを求めていました。
けれども、
訳です。
そんな中でハバククは
と神様に訴えかけています(2節)。
さらにハバククは、
とも尋ねています(3節)。
でも、
そもそものところ、
です(出エジプト記34章6-7節)。従って、
です(参考:ヨエル書2章12-14節)。けれども、
でもあります。ですから、
なのですが、
訳です。
ハバククの苦悩がうかがい知れます。
驚くべき業を成す神
ハバクク書1章5-11節の言葉は2-4節に記されているハバククの祈り・訴えに対する神様からの回答となっています。
その回答の初めに神様は、
と宣言しています。しかも、
だというのです(5節)。その驚くべき業とは、
というものです(6節)。このカルデア人は残忍かつ残虐で(6節)、獣のように人々を襲う暴虐さを兼ね備え(8-9節)、国々をあっという間に滅ぼしていく人々です(10-11節)。
しかも、11節には、聖書の神様を信じるどころ自分たちの力を神としているとさえ記されています。
という訳です。私たち人間の直感や常識から考えると、
と思う民族だと言えます。しかし
訳です。人間には想像すらできないような驚くべき御業を成される。それが聖書の神様です。
結論
です。ですから
しかしながら
でもあります。
のです。また、その
ことが多いと言えます。
からです(参考:イザヤ書55章8-9節)。そのことが最もよく表れているのがイエス様の十字架です。
全く罪を犯したことのない神の御子が無実の罪で、その当時、最も残酷で屈辱的とされる十字架刑を受けるというのは誰もが信じがたい驚くべき出来事です。
イエス様が十字架にかけられたとき、悪霊たちのかしらであるサタン(悪魔)は自らの勝利を確信したに違いありません。
神様の救いの計画を実現するために来られた救い主イエスが、その救いの業を果たすことなく死んでしまったからです。
ところが、この
だった訳です。と同時に、イ
でもありました(参考:ヨハネによる福音書12章31節; 16章11節;ヘブライ人への手紙2章14-15節)。
だと言えます。
もちろん、置かれている状況は人それぞれに異なりますが、誰もがハバククのような祈りを神様に捧げたことがあるのではないでしょうか。
そんな祈りに神様がすぐに答えてくださることもあれば、一向に答えてくださらないこともあるでしょう。
神様が祈りに全く答えてくださらないとき、
けれども、
むしろ、
ただ、
だからです。
神様はいついかなるときも、何があったとしても、あなたを見捨てるようなお方ではありません。
からです(参考:ローマの信徒への手紙8章31-39節)。また、
もちろん、自らが犯した罪の結果、自らに災いを招くことはあります。けれども、
ただ、残念なことに、たとえ神様があなたのこと愛しておられるとしても、またたとえ神様があなたの罪を赦してくださっているとしても、
ものなのです。
なぜでしょうか?
それは、
からです。そのことはイエス様の人生を見れば明らかです。
神様はイエス様を愛され、イエス様といつも共におられました。
イエス様は罪を犯したことがなく罪の赦しを必要としない完全なお方でした。
にもかかわらず、
それは、この世の罪と悪がイエス様を拒絶したからです(比較:ヨハネによる福音書3章19-20節)。
けれども、
とはいえ、この世で生活する限り、その今の苦しみや悲しみ、痛みを完全に乗り越えることはできないかもしれません。
その今の苦しみや悲しみ、痛みから完全に解放されることはないかもしれません。
でも、
と神様は約束してくださっています(参考:ヨハネの黙示録21章1-5節)。それは
です。
参考文献および注釈
- Barker, Kenneth L. Micah, Nahum, Habakkuh, Zephaniah: An Exegetical and Theological Exposition of Holy Scripture. The New American Commentary. Nashville, Tenn.: Holman Reference, 1998.
- Bruckner, James. Jonah, Nahum, Habakkuk, Zephaniah. Fifth Impression edition. The NIV Application Commentary. Grand Rapids, Mich.: Zondervan, 2004.
- Robertson, O. Palmer. The Books of Nahum, Habakkuk, and Zephaniah. 2nd edition. The New International Commentary on the Old Testament. Grand Rapids, Mich.: Eerdmans, 1990.